先日、富山経営者協会様にて、「これからの女性活躍推進」というテーマで講演させていただきました。
実はこの一か月で、社会保険労務士事務所、コンサルティング会社を経営されている村松事務所様の創立20周年記念イベントで「女性活躍推進がうまくいっている会社がしていることとは」というテーマで、日本経営協会様にて「女性活躍推進が進まない理由と今後考えるべき視点」というテーマでお話しさせていただいています。
女性活躍推進法が施行されて5年、そして来年の4月1日から法律の義務化の範囲が101人以上の会社に拡大するタイミングの今。
これまで取り組んできたけれども、うまくいっていない会社。
これから始めようという会社。
入り乱れて、女性活躍推進への関心が再び高くなっていると感じています。
ここまでの活動で見えてきた課題と、今後どのように考えて取り組んだらいいかを整理してみます。
〇良く聞かれる声
「女性活躍と聞くと、女性社員が嫌がるんですよ。管理職なんてやりたくないと言うし・・・」
「産休育休、時短制度いろいろ配慮しるんですが、他に何をやったらいいんでしょう?」
相変わらず変わらない、良く聞く声です。
特に女性社員が管理職になりたがらないから困っているという会社、多いようです。
〇うまくいかない対応・・・ステレオタイプ的な推進がキャリアや働き方を阻害
- 管理職になりたがらないから、管理職育成研修をしよう!
- 子育て両立してもらわないといけないから、育休復帰後研修が必要だ!
- 働きやすいよう配慮をどんどん拡大!
男性と同じように、女性にも色々な人がいて、子育て中であってもキャリアアップしていきたい人、管理的な仕事に向いている人など、考え方は様々ですが、こと女性になると、画一的なイメージを当てはめた対応をしている会社は、総じてうまくいっていません。
元々、その会社には、「採用に問題・教育に問題・配置に問題・管理職に問題・育成方針の問題・風土(長時間労働推奨など)の問題」が存在している可能性が高いので、その問題を同時並行して解決する必要があります。
また、子育て中であっても、キャリアップしていきたい人に配慮し過ぎることでキャリアを阻害してはいけません。
〇これからの女性活躍推進・・・全体的な取り組みと、マインドチェンジ+スキルチェンジ
- 全社体制で、経営トップから明確なコミットメントを行う
- 会社のビジョンに合わせて活躍の定義を定める
- 一貫性のある取り組み
- 皆が休みやすい風土、お互い様の雰囲気を醸成する
- 社員一人ひとりの価値観やキャリア観に向き合う
- 特に管理職の役割が大きい。きめ細やかなマネジメントやコミュニケーション力を養う。
- 社員自身も長期的なキャリアデザインや自律性を高める必要あり
講演後「女性活躍推進について管理職の理解が進まない。どうしたらいいか。」「管理職育成研修に参加させるまでが大変。何をしたらいいか。」といった取り組んでいるからこその具体的な悩みも聞かれました。
女性活躍推進は、組織固有の問題が潜んでいることが多く、組織の課題をじっくり探ってから計画を立てる必要があります。
ですので、ちまたに溢れている他社の事例をそのまま取り入れても意味はありません。
しかし、女性活躍推進が本当に進む組織は、ダイバーシティ&インクルージョンに近づきます。
これからの女性活躍推進は、VUCA時代を乗り切っていく組織力を養う、良いきっかけです。
全社体制で早く取り組んだ会社は、変化に強く、社員一人一人の能力が発揮しやすい会社となっていきます。