昨日は、中津川市において担当させていただいた、11社参加の「女性社員のためのキャリアアップ・プロジェクト」3日間の最終日でした。
このプロジェクトは、昨年も10社で開催され、今年度もリピートいただきました。
会社から参加しろと言われ、何が行われるかわからず参加した女性社員さん達なので、初日は堅いのですが、3日目になると、ディスカッションも弾み、柔らかい顔になってくれました。 特に昨日の最終日、参加の皆さんのロールモデルとして、二人の女性が来て下さり、彼女たちの話がとても良かった!
入社して23年の方と、40年弱のお二人。入社当時は、女性の地位は低く、お茶くみと事務補佐の毎日だったとのこと。 23年の方が勤めている製造業の会社は、東北の大震災の煽りを受けて、売上が半減。 生き残りを掛けた経費削減に、彼女は総務部長として挑んだそうです。 そこに「女性の知恵が生きた」というのです。
・この工程は本当に必要?
・毎日郵便局に郵便を届けるのではなく、取りに来てもらって交通費を浮かそう
・毎日お弁当屋さんにお昼のお弁当を頼むために電話を掛けるのをやめ、お弁当屋さんから電話を掛けてもらおう
といった、小さな削減を積み重ね、1000万円の経費削減につなげたという話をされました。 「女性が普段家事で培っていた節約の概念が役に立った。だから、女性の意見はとても貴重なんです。」
男性中心の製造業であっても、女性の力が活きるのだと力強く語られたその言葉に、受講者の皆さんは深くうなずいていました。
そして、もう一人の女性は、電気工事のメンテナンスをする会社に勤めておられますが、男性ばかりの業界の会議の場や営業に行くと、男性から「あなたで大丈夫なのか」という冷たい視線を浴びてきた過去を話されました。 どうやって乗り越えたのかと聞くと、「大変な中でも、結果をほめてもらったり、乗り切ったという自信だったり、そういった小さなことを積み重ねていった。」とのこと。
彼女の「大変だからやらないならば、失敗することはないが、成長も無い。一歩踏み出して挑戦して欲しい。女性は能力が高い。何でもできるのだから。」という言葉にも、皆さんは真剣に聞き入っていました。
ロールモデルのお二人の話の後、受講者を交えたディスカッションをしましたが、皆さんから「自分の能力はここまでと思っていたが、できるかもという考え方に変えてみようと思えた」
「近くにこんなすごい女性がいるということに勇気をもらった」
「与えられた仕事をしている毎日で、やり方を変えた方がいいのではと思っても、何も言わずに来たが、自分も声を出してみようと思った」
といった感想が次々と出てきました。 中小企業には、身近に女性のロールモデルがいない場合がありますが、他社の先輩の話を聞くことで、参考になることはいっぱいあります。
このような研修に出るのは初めてという女性社員さんばかりでしたから、中小企業の経営者、人事の皆さん、女性に教育研修を受ける機会をぜひ作ってください。
短い時間の中、皆さんどんどん吸収していかれます。ただ機会が無いだけで、その能力を出すチャンスをうばっているのだとしたら、こんなもったいないことはありません。