先日出身大学の建物が老朽化で引っ越す様子がNHKBSで放送されました。
観るまでは、関係者以外誰が引越しの様子などを観ておもしろいのだろうと思っていました。
ですが、この番組の主題が「小さな世界」で、特にアジア系の語科を取り上げながら、その教授たちが口々に言っておられることが印象に残りました。
細かな表現は違っているかもしれませんが、
「卒業後学んだ言葉を使う場面は無いかもしれない。だが、その文化に想いをはせる。興味を持つことが大切」ということ。
司馬遼太郎さんは卒業生なのですが、その言葉が大学に飾られています。
タイトルは「四海への知的興奮」。
異文化に対して、興味を持ち、その考え方や文化や衣装などを知ることが楽しい。
ただ単に、世界を知ることは一生の楽しみと書かれています。
ダイバーシティの原点のようなことだと感じます。
もう既にその国では戦争などで残っていないけれども、大学に残っている蒙古語で書かれた経典や、ミャンマーとタイの国境付近の少数民族の言語で、ミャンマーから使用を禁止された言語を研究している人。
誰かが語り継がなければ無かったものとなってしまうかもしれませんが、残す人がいることで息遣いが感じられます。
学生時代には、その価値を実感してはいませんでしたが、言語や文化を研究する意義を思い出させてくれる放送でした。