女性リーダーとしてアサーションは、相手の意見を受け止めつつ、自分の考えを伝えるのに有効です。
ダイバーシティ&インクルージョンの実現のためにも、必要なコミュニケーションだなと思っています。
ただ、相手をあまりにも尊重しすぎて、へりくだり過ぎたクッション言葉をいつも使っていると、自信が無いと受け取られかねません。
今回は、リーダーとしてどうアサーションを取り入れるかをお伝えします。
リーダーとしてふさわしい言葉とは
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例えば何かを言い出すときに、「これは重要じゃないかもしれませんが」と前置きをしたら、聞いた人はどう思うでしょうか? 「既にお考えになっているかもしれませんが」「『ちょっと』お伝えしたいんですけど」……これらはどれも、自分のメッセージを伝えるのにあまりいいやり方ではありません。ほとんど「重要ではない」と言っているようなもので、自分に自信がなく、また話す内容にも自ら疑いを持っている形になります。
(日経ARIA 2019/5/13より引用)・・・・・・・・・・・・・
「既にお考えになっているかもしれませんが」「『ちょっと』お伝えしたいんですけど」といった言葉は普段使いがちではないでしょうか?
これらを連発してしまうと、せっかく伝えようとしているのに、中身に自信がないのでは?と感じとられかねません。
相手に要望をしたい時や言いにくい相手の場合に、前置きをしましょうとアサーションの講座で学んだ方も多いことでしょう。
しかし、部下の立場になって考えてみてください。リーダーには堂々と言って欲しいと感じませんか?
言葉が冗長なのもマイナス
女性だけに限りませんが、言葉が冗長になってしまって、要点がわかりにくのもリーダーとしては、マイナスです。
同じく、サリー・ヘルゲセン氏は書いています。
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「トゥーマッチ」であること、つまりやり過ぎることも、リーダーとしての存在感を失わせます。情報のあり過ぎ、言葉の使い過ぎ、バックグラウンドを話し過ぎ、そして詳細に説明し過ぎ。これらは他人に対する思いやりや関心、他の人が見逃すような細かい点に気付く力を表す強みでもありますが、プレゼンにおいては混乱を招きます。なぜなら、こうした話し方は正確とも明確とも言えないからです。
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・話しながら、あれこれ頭に思い浮かんできてしまって、枝葉が多くなり過ぎる人
・相手に伝わらないのではと感じて、つい説明が長くなる人
アサーションの4つの柱のうち、「率直」という考え方があります。
相手に伝わるようにわかりやすい言葉を使い、必要なことだけを短く伝える。
アサーションの相手を尊重という部分だけを実践するのではなく、この率直という部分にも注目しましょう。
はじめからメンバーを巻き込む
女性がリーダーになったばかりの頃は、人に依頼することが苦手で、つい自分でやってしまうという人がいます。
しかし、リーダーになると、やらなければならないことも責任も増え、それまでやっていたことも引き続きやっていては、到底こなせません。
そこでメンバーがを巻き込むことが必要となりますが、なぜ依頼することを躊躇するのか?何人か共通して言われたことがあります。
「忙しいメンバーに仕事を増やしては申し訳ない」と感じてしまったり、「使われたと思われないか」と感じたりするようです。
しかし、リーダーにはやるべきことがあり、あなたがやらなければ企業として成り立たないのです。逆に依頼された人は、仕事は増えるかもしれませんが、あなたがやっていたことを任せてもらって、その技量がつきます。
そして、リーダーになってしばらくあなたがやっていたことを任せては、「リーダーの仕事が回ってきた」と感じさせてしまいますが、リーダーになってすぐに任せれば、次のリーダーとして期待していると感じさせることもできます。
だからこそ、メンバーを早いうちから巻き込んで任せるべきでしょう。
依頼する時こそアサーションを使って
・〇〇さん、お願いしたいことがあります。
・いつも的確な資料を作ってくれてありがとうございます。
・〇〇というプレゼン資料は、今まで私がアイディア出しをしていましたが、今度から〇〇さんにゼロからお願いしたいです。どうかな?
・私もフォローするので、次のプレゼンからお願いしますね!
といったように、簡潔にアサーションを使って依頼をしてみましょう。
任されたメンバーは、半年後にはぐんと成長していることでしょう。
リーダーになったら、コミュニケーションの取り方も意識して考える必要があります。
そして、これまで悪い癖が付いていれば、早いうちに変えていきましょう。