2003年から働く女性達の意識改革、ダイバーシティ&インクルージョンをテーマに活動している、NPO法人GEWELが行った、働く女性の意識調査10年前との比較についての記事が掲載されました。
http://www.gewel.org/2018/02/18/2017researchreport/
私も調査に協力させていただきましたが、10年前とは女性の意識は随分変わっていることがうかがえます。
主なポイントは以下の3つ。
1.働く女性の就業継続意識~就業継続派は増加~
2.働く女性のキャリア観~管理職志向派は増加~
3.D&Iの浸透~職場内の男女平等状況は変化なし~
詳しくは記事をご覧になっていただきたいですが、私が感じたのは以下です。
● 女性側の意識は生涯働きたい、キャリアアップもしていきたいという方向に随分変わった
● しかし職場の中での男女不平等感は変わらない
女性活躍推進やダイバーシティをテーマにした研修を企業や自治体向けに行っていますが、上記の点がデータで裏打ちされたなという感想です。
というのも、
女性向けにキャリアの研修をすると、前向きに真摯に仕事に向き合う真面目な女性達が多いことをすごく感じます。
ですが、
自分自身の経験や力には自信がなく、管理職にふさわしいと自信を持っていない。
という割合もまだ多いのが実情。
なぜこんなねじれが起こるかというと、
影響が大きいのは、「職場内の昇進・昇給についての男女の扱いの差」や「女性は管理職に向かない」「女性は管理職をやりたがらない」といった意識が根強い(男女共に)という環境によるところが大きいのだと思います。
データからも実際に表れていますね。
これは
「既得権益にしがみつく男性が多いから女性にポジションを奪われるのが怖い」といった声もありますが、
私はむしろ
「年功序列や今までの昇進の描かれた道筋」という「絵に描いていた未来像」が無くなり、
「どんな未来が起こるかわからない」から「不安・怖さ」があるのではないかと思います。
人は皆、今の安定が壊れること、変化することへは恐れを強く持つと言われています。
「今までとは違った世界が起こる」→ 「どういう振る舞いをしたらいいか正解がわからない」→ 「変化に抵抗する」
という状態であれば、
「今までとは違った世界が起こる」→ 「明るい未来のようだ」→ 「早くその未来を見たい・体験したい」
という心理になるよう、男女別なく、一人ひとりの価値観を大切にしながら、皆で対話し、高め合う(インクルージョン)ことが大事なのではないかと思います。