5/7(月)愛知中小企業家同友会の協働共生委員会にて、「治療と仕事の両立支援ーがん患者の就労支援の現状と課題ー」勉強会に参加してきました。
がんに罹る人は、3人に一人とも2人に一人とも言われています。
ただ医療の進歩により、治る確率も上がっています。
又、定年の延長や働く年数が長くなってもいます。
つまり、がんやその他病気を抱えながら働く人が増えているわけです。
子育てや介護の両立支援の面では、子供やシニアといったように、ケアする人は第三者ですが、
病気の場合は本人にケアが必要となります。
こういう状態の社員がいる場合、経営者はどうすればいいか、この勉強会では考えさせられました。
講演者の永谷さんは、がん患者就労支援相談員として、何人ものがん患者やその家族とお話しされた経験を話してくださいました。
患者側では、
例えば、大工さんだった方が、がんに罹患し、大工としての仕事はできなくなった。
仕事探しをする必要があるが、できることに限りがあると、中々次の人生を立てづらい。
また、会社に迷惑を掛けるという心配ごと、何日休めるのかといった会社の制度を知らないという人も多いそうです。
では、経営者は何をすればよいか?
本人の体調を心配して、安易に『短時間勤務にしたら?』『パートでもいいよ』と言ってはいけない。
収入が減ってしまうからです。本人がフルタイムで働きたいという希望があるかもしれません。
理解の齟齬を産まないためには、今後どう働きたいか、体調の具合やどういう仕事ならば可能なのか、治療はいつまでどういう状態で続くかなどを本人から話してもらわないと、わかりませんから、話しやすい雰囲気を日頃から作っておく必要があります。
又、今までとは違う仕事に配置転換する場合、できる仕事が限られてしまうと、配置転換そのものが難しい場合が考えられます。
そのためには、日頃から他の仕事も多少経験させておくなど、一つの職種だけしかできないようにしないという工夫も必要かもしれません。
がんと聞くと、不治の病、治るとしても仕事は無理かもなどといった印象を持つ人がまだまだ多いものです。
しかし、病気だからといって、特別な目で見ることなく、一つの個性として捉える、カテゴリー分けではなく、一人ひとりに寄り添って考えることが必要だと感じました。